この詩は英国の詩人バイロンによってもたらされたものだ。
1814年6月にパーティーに出席したバイロンは、
ウィルモット夫人の美しさに魅了された。
彼女は黒のスパンコールの喪服を着ており、黒い髪と白い顔、
光と影の入り混じった様子に衝撃を受けたようだ。
バイロンは一晩中悲しげな様子であり、その後にこの詩を書いたようだ。
英文の引用元はこちら。
She Walks in Beauty
She walks in Beauty, like the night
Of cloudless climes and starry skies;
And all that’s best of dark and bright
Meet in her aspect and her eyes:
Thus mellowed to that tender light
Which Heaven to gaudy day denies.One shade the more, one ray the less,
Had half impaired the nameless grace
Which waves in every raven tress,
Or softly lightens o’er her face;
Where thoughts serenely sweet express,
How pure, how dear their dwelling-place.And on that cheek, and o’er that brow,
https://www.poetryfoundation.org/poems/43844/she-walks-in-beauty
So soft, so calm, yet eloquent,
The smiles that win, the tints that glow,
But tell of days in goodness spent,
A mind at peace with all below,
A heart whose love is innocent!
ブロックごとに解説してみよう。
She walks in Beauty, like the night
彼女は歩く、美しさの中を、その夜のように
Of cloudless climes and starry skies;雲も喪なく穏やかで、星のふる
And all that’s best of dark and brightそして闇と輝くの最高潮のものが、
Meet in her aspect and her eyes:出会う、彼女の容貌と目のうちに。
Thus mellowed to that tender lightかくして熟した優しい光に
Which Heaven to gaudy day denies.天は派手な輝きを拒絶する
さて、好きなフレーズはこちら。実際に女性の美しさを謳っている。
One shade the more, one ray the less,
ここのフレーズは、「影が強くなり、光が弱くなる」と言っている。
Had half impaired the nameless graceimpaired は動詞で弱める、傷めるなどの意味。
このフレーズでは「名もなき優美を損なう」などの意味だろう。
ただgrace がもたらす言語感覚は日本語にすると重たくなる。
翻訳は拒絶されるだろう。
Which waves in every raven tress,
ここの「which」はどこに繋がっているのだろうか?動詞はwavesであるから、全ての黒髪(every raven tress)を
波立たせるというものである。
直前の「名もなき優美」にかかるのが順当だろう。
名もなき優美とは、黒髪を並立たせるものということになる。
Or softly lightens o’er her face;
または名もなき優美は彼女の顔をきわたたせる。
Where thoughts serenely sweet express,ここが場所であるのだ、誠実さと甘い表現が表現される
How pure, how dear their dwelling-place.彼らの住まいが、どれほど純真で、愛おしいことか。
ここの表現が群を抜いて優れている。
彼女自身を場所と捉えてもいいだろう。
彼女の肉体が、いかに純粋で愛おしいものを留めている場所であるというのだ。
このserenelyという言葉が素晴らしい。
穏やかなという意味だ。音楽性も汎用性も優れている。
またgraceやdearももっと使用されていい単語だろう。
あまりにも格調高くなりすぎず、相手を高めあげる効果を持っている。
日本語訳はこちらにあった。
彼女の歩く姿の美しいさまは
雲ひとつない星空のようだ
闇の黒さと星々の輝きが
彼女の姿 目の中で出会い
やさしい光を放っている
真っ白な昼には見られない光だだが陰が深まり 光が弱まると
魅力はいささか損なわれる
光が黒髪を波打たせて見せ
顔をかすかに照らしてこそ美しさは映える
そこに彼女の顔の純真さが見え
彼女のつつましさが滲み出るのだ光が彼女の頬や額を照らすと
https://poetry.hix05.com/Byron/byron01.she-walks.html
穏やかで物静かで 思い溢れる表情になる
笑顔は人の心をとらえ 顔色は燃え立ち
よき日々の思い出を語って見せる
光は彼女の雰囲気を和ませ
無垢の愛に包まれた心を見せてくれる
このサイトが素晴らしい。
詩と音声が一緒になっている
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